「公園テビュー―母たちのオキテ」 本山 ちさと
公園テビュー―母たちのオキテ

(本文から引用)

私には、公園の母たちが、ハハ族というひとつの怪物のように見えていた。
ちょっと見にはやさしい顔をして、明るく楽しそうにしているが、実は排他的で、序列を重んじ、和を乱す出る杭は「子供がかわいそう」と言ってうつ、恐ろしい怪物。しかし、ひとりひとりバラバラにして、一対一で話をすると、怪物でも何でもない。恐ろしくも何ともない。自分と同じひとりの人間だ。ちゃんと気持ちが通じあえる。

私は、ハハ族の正体がわかりかけた気がした。ハハ族の分子である母たちは、個人のときと、集団のときでは人格が変わるのだ。


日本人が複数集まってできる組織というのはみんな同じだなあ、と思うわけですよ。上の文章の「母」を「サラリーマン」に、「ハハ族」を「会社族」とかに置換して読んでみても、あんまり違和感ないからね。

「個性」を尊重するポーズだけはとっている、「個人」を許さない団体。

それが日本人が形成しがちな集団なのですが、それがイヤだからといって、全くどの組織にも属さずに生きていくこともこれはまたできないわけで、そういう集団の中で自分の立ち位置を上手く決めて、うまいことやっていかなければならんのです。ああ、めんどくさい。

著者はその辺りをバランスよくやってるなあ、と感心しました。
客観的なものの見方や、それに対する自分なりの考え方を確立しておかないと、この国では生きてはいけないのですよ。これは言い過ぎではなくてね、本当にそう思うのです。


なんて、重苦しいことを言っていますが、基本的には笑いながら気楽な感じで読める一冊です。
集団の中にいるとちょっと疲れてしまうことが多い方にオススメ。
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